今回の事故は、トンネル掘削の際の、火薬による発破作業後の状態を作業員が確認しようと、トンネル先端部の切羽に近づいたところ、崩落が発生したとのことです。 詳細な事故原因については、現在、警察及び労働基準監督署が調査を行っているものと承知しています。
今回、ナトム工法という発破を使う工法ですけれども、一般に発破作業直後に切羽に近づくことは危険とされており、厚生労働省が事故防止のためのガイドラインを作成しています。
「山岳トンネル工事の切羽における肌落ち災害防止対策に係るガイドライン」というもので、平成28年に策定され、平成30年に1度改定されています。
JR東海は今回の作業において、施工会社が当該ガイドラインを遵守して作業を実施しているか等を確認するため、他の山岳トンネルの工事も含め、工事を一時中止し、確認ができた工区から、地元自治体に報告した上で、工事を再開しているものと承知しています。
また、事故が発生した当該工区においては、原因究明と再発防止策が講じられるまで工事をストップし、講じられた後に再開になるということです。
リニア中央新幹線については、平成26年10月の工事実施計画認可に際しては、国土交通大臣から「安全かつ確実な施工」を行うよう指示を出しています。
国土交通省としては、JR東海が施工会社に対して安全な施工を適切に指示することも含め、リニア中央新幹線の工事が安全かつ確実に実施されるよう、引き続き、JR東海を指導・監督していきたいと思います。
(ソース)国土交通省・2021年11月2日(火) 11:02 ~ 11:23 国土交通会見室 斉藤鉄夫 大臣