リニア中央新幹線

要請書
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国土交通大臣 太田昭宏 様

中央新幹線計画の凍結と再検証を求める要請書

 本日、私たち「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」は住民の意志として、中央新幹線計画(以下リニア新幹線計画)の凍結・再検証を求める1万7千名の署名を提出いたします。

 JR東海旅客鉄道株式会社(以下JR東海)が計画しているリニア新幹線はスピードだけを追求する鉄道であり、採算性、安全対策、環境への影響について、計画沿線住民を中心に、多くの問題点が指摘されています。

 2011年5月、国土交通省交通政策審議会中央新幹線小委員会の答申があり、これを受け国土交通大臣が事業主体・営業主体としてJR東海を指名しました。その2か月前の3月11日、東日本大震災が発生し、三陸沿岸を中心に鉄道も大きな被害を受けました。また、同日の福島第一原発事故以降、ほぼすべての原発が運転を停止し、その敷地内で活断層の調査が行なわれています。活断層が認められた原発は廃炉になるとされています。

 リニア新幹線は東京から名古屋まで数多くの活断層を横切ります。いったんそこで強い地震が発生したら、リニア新幹線は重大事故に遭う危険性が高いと私たちは考えます。また、南アルプスに長大トンネルを掘ることは、最大の自然破壊行為です。すでに、山梨実験線の延伸工事ではトンネル掘削で地下水が枯渇する事態が起きています。

 JR東海は、現在、最終的な建設工事準備へ向けた環境調査を実施しており、今年秋には正式ルートや中間駅、車両基地、立坑などの立地場所を明らかにするとしています。

 計画が明らかになって2年経ちますが、私たち計画沿線住民はこれまで、安全対策、環境対策、電磁波対策、電力消費量、騒音・振動のレベル、トンネル掘削工事の進め方、残土処理の方法など不安な問題について、JR東海から具体的で詳細な説明を受けていません。

 国土交通大臣におかれましては、リニア新幹線計画が内包するこうした問題点についての私たちの切実な声に耳を傾け、計画をいったん凍結し、再検証するよう強く要請します。

 2013年6月7日

リニア新幹線沿線住民ネットワーク
共同代表  天野捷一、川村晃生、片桐晴夫、原 重雄
ソースは「全国自然保護連合」サイト、「リニア計画の凍結・再検証を求める~沿線住民ネットが国交省要請と集会~」 として掲載されている記事から要請書のテキストのみ転載させていただきました。
(本文中のリンク設定は編者です)

リニア中央新幹線、3日連続取材 その2(山梨県上野原市)(要請書に書かれている「トンネル掘削で地下水が枯渇する事態」の一例、現地取材記事)

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